「ご心配いただきありがとうございます」の意味や使い方、英語表現は?

「ご心配いただきありがとうございます」は、ビジネスシーンから日常生活でもよく使われている表現ですが、しっかりと意味を理解している人は少ない様子。類語である「お気遣い」や「お心遣い」とも意味が異なるため、社会人なら正しく使い分けできるようにしたいところ。それぞれの意味や使い方をおさらいして、正しい言葉遣いをマスターしましょう。

1:「ご心配いただきありがとうございます」の意味

「ご心配いただきありがとうございます」は、ビジネスシーンに限らず、日常会話でもたびたび使われる言葉です。しかし、「ご心配」のほかにもいくつか似た表現があるので、シチュエーションに合わせて使い分けることが大切です。

まずは「ご心配いただきありがとうございます」という言葉の意味をおさらいしましょう。

(1)「ご心配」「お心遣い」「お気遣い」それぞれの意味は?

「ご心配」とは、「心配」という言葉に、敬意を表す接頭語である「お」をつけたもの。物事の行先が気がかりとなり、心を悩ませることを表現する言葉です。

この「ご心配」に近い意味合いをもつ言葉としては、「お心遣い」や「お気遣い」が挙げられます。「お心遣い」は、心から思いやる気持ちをもって、相手に何かをしたり発言をしたりすること。「お気遣い」は、神経を使って相手に何かをすることを指します。

「ご心配」「お心遣い」「お気遣い」は混同されがちですが、それぞれ意味合いが異なるので、しっかりと覚えておきましょう。

(2)「ご心配いただきありがとうございます」の意味は?

「ご心配いただきありがとうございます」は、相手が自分のことを心配してくれたことに対して感謝を伝えるために用いる言葉です。

友人や同僚といった親しい関係性の人であれば、「心配してくれてありがとう」というフランクな表現でも構いませんが、ある程度距離のある人には、「ご心配していただきありがとうございます」という敬語表現で、お礼や感謝の気持ちを伝えるのがベター。

自分を気にかけてくれる相手に対して、「ご心配いただきありがとうございます」とスマートに返せたら、「デキる大人」として株も上がるかも。

2:「ご心配いただきありがとうございます」の使い方

「ご心配いただきありがとうございます」は、どのようなシチュエーションで使えばいいのでしょうか。よくある事例や気をつけたいポイントについてご紹介します。

(1)体調の心配をされたとき

風邪や疲労などで体調が優れないときに、周りから「体調は大丈夫?」と声をかけられることもあるはず。体調の心配をされたときは、素直に「ご心配いただきありがとうございます」とひと言お礼を言いましょう。

また、季節の変わり目や時期によっては、あいさつの一環として相手の体調を心配するひと言を添えることも。この場合も同様に、心配してくれたことに対してきちんとお礼を言ってから、本題に進みましょう。

(2)時間の心配をされたとき

ビジネスシーンでは、会議や残業が長引いてしまうこともしばしば。そんなときには、自分の業務の進行が遅れたり、帰宅時間が大幅に遅くなってしまったりすることもあるでしょう。

上司や周りの人から時間の心配をされたときは、「ご心配ありがとうございます」と返しましょう。たとえ苛立つ気持ちがあったとしても、心配してくれた相手には嫌な顔をせずに、きちんとお礼を言える大人でありたいものです。

(3)事故やケガの心配をされたとき

事故やケガ、地震や火災といった災害に遭ったときに、上司や取引先関係者からお見舞いのメッセージをもらうことがあります。相手はとても心配してくれている可能性が高いので、「ご心配いただきありがとうございます」という気持ちを伝えるように心がけましょう。

もし入院や療養により、すぐに返事ができなかった場合は、生活が落ち着いてからでいいので、忘れずにお礼を伝えること。そのときに事故やケガが業務に影響するかどうかを伝えてあげると、相手もより安心できるでしょう。

(4)お礼と一緒に自分の現状も伝えること

心配してくれた相手に対してお礼を言うだけでなく、一緒に自分の現状も伝えることが大切です。お礼の言葉だけでは、相手の状況や心境がわからず、心配する気持ちも解消されないでしょう。

「ご心配いただきありがとうございます。いまは〇〇で、××です」というようにひと言を添えるだけで、相手にも現状が伝わり、不安も少しは和らぐはず。こういった些細なひと手間が、相手への気遣いとなるのです。

(5)態度や表情にも気を配ること

たとえ「心配していただきありがとうございます」という丁寧な言葉遣いができたとしても、不機嫌そうな表情や無愛想な態度をとりながらでは意味がありません。心配するどころか「心配してくれた人に対してその態度は何?」と相手を怒らせてしまいかねません。

お礼を言うときは、心配してくれた相手の目を見て、きちんと姿勢を正して伝えること。時間や気持ちに余裕がなくても、丁寧なコミュニケーションを心がけることは、社会人の基本ですよ。

3:「ご心配ありがとうございます」の類語表現3つ

「ご心配」に似た表現は、相手の行動に合わせて使い分けるのがベストです。「ご心配いただきありがとうございます」の類語表現3つとそれぞれの使い方をご紹介します。

(1)「ご配慮いただきありがとうございます」

「ご配慮いただきありがとうございます」は、ビジネスシーンで登場することが多い表現のひとつ。「ご配慮」とは、物事がいい結果になるように、気を配ることを指す言葉です。

基本的に「ご心配いただきありがとうございます」と同じ使い方ですが、こちらのほうがより丁寧な表現と言えるでしょう。目上の人はもちろん、取引先の人やあまり話したことがない相手に使うときにもおすすめです。

(2)「お心遣いありがとうございます」

「お心遣いありがとうございます」は、相手の親切心に対してお礼を言うときに使います。目上の人に対する表現であり、目下や同僚には基本的に使いません。

真心やおもてなしに対して感謝を述べるため、利害目的で行動するビジネスシーンでは、使われる機会は少ないです。しかし、上司から入院時のお見舞いを受けたときや、お悔やみの言葉・香典をいただいたときは、「お心遣いありがとうございます」と表現するのがふさわしいでしょう。

(3)「お気遣いいただきありがとうございます」

「お気遣い」には心配する気持ちも含まれますが、自分のことを気にかけたうえで、何かしらの行動をしてくれた相手には「お気遣いいただきありがとうございます」と伝えるのがよいでしょう。

主にビジネスシーンで使われており、自分をサポートしてくれる相手に対して感謝の気持ちを伝えたり、ビジネスマナーに対するお礼として頻出します。

4:「ご心配いただきありがとうございます」を英語でいうと?

海外のビジネスパートナーとやりとりをするときに、「ご心配いただきありがとうございます」と言うときは、「懸念」という意味をもつ「concern」と「~してくれてありがとう」の意味をもつ「Thank you for~」を組み合わせます。

「Thank you for your concern.」と表現すれば、「気を遣ってくれてありがとう」という意味合いになりますが、固い表現となるので、ビジネスシーンで使うのが一般的。

日常会話で使いたいときは、「~を気にかける」という意味をもつ「care about 」を用いて、「Thanks for caring about me.」と表現すればフランクに伝わりますよ。

5:まとめ

「ご心配いただきありがとうございます」はさまざまなシーンに使える言葉であり、大きな失敗をすることはないでしょう。しかし、たったひとつの態度や表情の悪さから、相手に悪い印象を与えてしまうことも十分にありえます。

言葉の力に甘んじて、基本的なコミュニケーションを疎かにしてはダメ。社会人たるもの、「ご心配いただきありがとうございます」という丁寧な表現にふさわしい振る舞いを心がけていきたいものですね。

初出:MENJOY ライター:MENJOY編集部

松田優
2017年よりライター・ディレクターとして活動を開始。2019年に『ドミノ倒れ』『かぼちゃの馬車のクレームブリュレ』を同時刊行して小説家デビュー。小説家・ライターとして小説やキャッチコピー、コラム記事など幅広い執筆を行いつつ、ライターチーム『WritingWrite』のリーダー兼ディレクターとしても活動。日本ペンクラブ会員。